いまさら聞けない高血圧とは
血圧を下げるお茶とか、いろんな商品が目にとまります。
そもそもなんで高血圧はダメなの?
血圧が高いとどうなるの?
逆に血圧が低いと健康なの?
高血圧になる原因は?
年齢によって血管の強さなど内臓の強弱が異なるのに、なんで「血圧の基準」がみんな同じなの?
金井 進さんによる高血圧Contents
高血圧の問題点
高血圧は多くの健康問題の原因となり得ます。主なリスクには以下のものがあります:
- 心血管疾患のリスク増加:
- 高血圧は心臓に負担をかけ、心筋梗塞や狭心症、心不全などの心臓疾患のリスクを高めます。
- 血管にかかる圧力が高まることで、動脈硬化(アテローム性動脈硬化)の進行を促進し、脳卒中(脳出血や脳梗塞)のリスクも増加します。
- 腎臓への負担:
- 高血圧は腎臓の血管にダメージを与え、腎機能の低下や最終的には腎不全を引き起こす可能性があります。
- 目の疾患:
- 高血圧は眼底の血管にも影響を与え、視力低下や失明のリスクを高めます。
血圧が高いとどうなるのか
長期間にわたって血圧が高い状態が続くと、以下のような問題が発生します:
- 血管のダメージ:血管の内壁に傷がつきやすくなり、動脈硬化が進行しやすくなります。
- 心臓の肥大:心臓が過剰に働かなければならなくなり、心臓の壁が厚くなることがあります。これにより、心不全のリスクが増します。
- 腎機能の低下:腎臓の血流が悪くなり、腎臓の機能が低下します。
血圧が低いと健康なのか
血圧が低い(低血圧)だからといって必ずしも健康であるとは限りません。極端に低い血圧も問題を引き起こす可能性があります:
- めまいと失神:急に立ち上がるときにめまいや失神を引き起こすことがあります。
- 疲労感:慢性的に低血圧だと、疲労感や集中力の低下が見られることがあります。
高血圧になる原因
高血圧の原因は多岐にわたります。以下の要因が考えられます:
- 遺伝的要因:高血圧は家族歴がある場合にリスクが高まります。
- 生活習慣:塩分の多い食事、運動不足、アルコールの過剰摂取、喫煙など。
- ストレス:長期間にわたるストレスも血圧を上昇させる一因です。
- 年齢:年齢を重ねると血管が硬くなり、血圧が上がりやすくなります。
血圧の基準が同じ理由
血圧の基準が一般的に同じなのは、統計的に健康リスクが最も低い範囲を基準としているためです。以下の理由から、統一された基準が設けられています:
- リスクの一貫性:年齢や性別にかかわらず、特定の血圧範囲を超えると心血管疾患やその他の健康リスクが増加することが研究で示されています。
- 医療の標準化:医療提供者が一貫した基準に基づいて診断と治療を行うことで、患者に対するケアの質を向上させるため。
血圧を下げる方法
血圧を下げるためには、以下のような生活習慣の改善が有効です:
- 食事:塩分を控え、野菜や果物、全粒穀物を多く摂る。
- 運動:定期的な有酸素運動が効果的です。
- ストレス管理:リラクゼーション法や趣味を持つことが重要です。
- 禁煙:タバコを吸わないようにする。
- アルコール制限:飲酒量を適量に抑える。
お茶やサプリメントなどの製品も効果があることがありますが、まずは生活習慣の改善が基本となります。高血圧が疑われる場合は、医師に相談して適切な対策を講じることが重要です。
高血圧について、武田邦彦中部大学教授の言動が注目を集めています。
武田邦彦教授の高血圧に対する見解
- 血圧の基準値の信頼性:
- 武田教授は、現在の高血圧の基準値が必ずしも全ての人に適しているとは限らないと主張しています。
- 例えば、日本では収縮期血圧140mmHg以上が高血圧とされていますが、これは医薬品業界の影響を受けている可能性があるという見解です。
- 具体例:70歳の高齢者が血圧150mmHgであっても、その人の健康状態が良好であれば必ずしも降圧薬が必要ではないと主張しています。
- 個別化された医療の重要性:
- 武田教授は、血圧管理において個別化されたアプローチが重要であると述べています。
- 年齢、体質、生活習慣などを考慮し、一律の基準に従うのではなく、個々の患者の状態に合わせた治療が必要だと強調しています。
- 具体例:若いアスリートと高齢の女性では、最適な血圧の範囲が異なる可能性があります。アスリートは運動によって一時的に血圧が上昇することがありますが、これは必ずしも健康に悪影響を及ぼすわけではありません。
- 薬物治療の見直し:
- 武田教授は、降圧薬の過剰な使用に対して懸念を示しています。多くの人が必要以上に薬を処方されており、これが健康リスクを高める可能性があると指摘しています。
- 具体例:降圧薬を服用することで血圧が過度に低下し、めまいや失神を引き起こす高齢者がいます。これは転倒や骨折のリスクを高めることにつながります。
血圧の診断基準の推移を考える
日本では、過去に血圧の診断基準が変更されたことがありましたが、160/100 mmHgへの変更については、現在確認できる情報がありません。
ただし、血圧の診断基準の変更は一般的に、複数の要因を考慮して行われます。以下にその背景や具体的な例を基に、血圧基準の変更の一般的な理由を説明します。
血圧基準の変更の背景
血圧基準の変更には、以下のような要因が影響します:
- 疫学的データの見直し:
- 大規模な疫学研究により、異なる血圧範囲における心血管イベント(心臓発作や脳卒中など)の発生率が再評価されます。
- 具体例:新たな研究で、160/100 mmHg以下の範囲では心血管イベントのリスクが比較的低いことが確認された場合、基準が緩和される可能性があります。
- 治療によるリスクとベネフィットの再評価:
- 降圧薬の効果と副作用のバランスが再評価されます。過剰な降圧が逆に健康リスクを高めることがあるため、適正な治療目標が再考されます。
- 具体例:高齢者に対する過度な降圧治療がめまいや転倒のリスクを増加させる場合、より高い血圧基準が許容されることがあります。
- 国際的なガイドラインとの整合性:
- 各国のガイドラインの基準を比較し、国際的な整合性を取るために基準が見直されることがあります。
- 具体例:欧米のガイドラインが160/100 mmHgを高血圧の基準とした場合、日本もそれに倣うことがあるかもしれません。
まとめ
血圧基準の変更には、疫学データの見直し、治療によるリスクとベネフィットの再評価、国際的なガイドラインとの整合性など、複数の要因が考慮されます。
具体的な研究や例題を通じて、基準変更の背景とその影響を理解することができます。
血圧管理は個々の患者の状態に応じた柔軟なアプローチが重要であり、一律の基準ではなく、個別のリスクとベネフィットを評価することが求められます。